「小規模事業者持続化補助金低感染リスク型ビジネス枠」の申請メリット&デメリット
昨年に引き続き、2021年の今年も小規模事業者持続化補助金の特別枠として「小規模事業者持続化補助金低感染リスク型ビジネス枠」の公募開始が2021年3月31日に発表されました。
全部で6回に渡る公募で、最終の第6回受付分は2022年3月9日締切となり、まだまだ活用の機会が多く残されています。
申請方法など具体的な方法論等については弊社の別の動画やwebサイトでもご説明していますのでそちらをご覧いただくとして、こちらの動画では、弊社がサポートさせていただいた実際の採択者の皆様からの生の声を元に、メリット&デメリットをご紹介させていただきます。
「小規模事業者持続化補助金低感染リスク型ビズネス枠」の申請メリット&デメリット
1.メリット① ~新しい取組への資金援助が受けられること
公募要領にもあるように「ポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等に関する取組を支援するもの」と定義されています。
新型コロナウィルスの発生は従来の価値観や常識を一変させました。
その影響は経済活動にも及び、非対面型サービスの加速的な重要性の高まりと、日常生活の一層のオンライン化が進んだことで新たなビジネス展開の必要が余儀なくされています。
そして当補助金はこのコロナ禍において最も大きな打撃を受けた小規模事業者を積極支援してくれるのです。
2.メリット② ~上限額100万円、補助率3/4
小規模事業者持続化補助金(一般型)の補助金上限額は50万円、補助率は2/3と比べると低感染リスク型ビジネス枠の条件が非常にいいことが分かります。
小規模事業者には個人事業主や飲食店主、一人親方なども含まれるため新たな先行投資額に対する補助としては非常に魅力的であると考えます。
加えてオンライン化が遅れていた事業主にとっては一気にキャッチアップする好機でもあるのです。
3.メリット③ ~申請要件が明確なため申請しやすいことと、比較的採択率が高いこと
公募要領に「感染拡大防止のための対人接触機会の減少と事業継続を両立させる」とあることから、これを自身の経済活動に照合した時に見えてくるもの、あるいは足りないものの充足が申請内容の骨子となってきます。ただし要件の中に「小規模事業であること」と「今年(2021年)の緊急事態措置のうち、いずれかの月の月間事業収入が2020年または2019年の同月と比較して30%以上減少している」というものがありますが、該当事業主は非常に多いのが現状です。
また、各回により採択率は違うものの一般型と比較すると相対的に採択率が高いと言われています。
4.メリット④ ~世の中の様変わりを目の当たりにして自社の強みを改めて見つめ直す機会となること
極端な言い方をするとコロナ前とポストコロナでは全く別の世の中になりました。
そして以前の状態に戻ることは残念ながら非常に考えづらいのが現実です。
つまり冒頭でもお話した通り、「ポストコロナを踏まえた新たなビジネスやサービス、生産プロセスの導入等」に取組む必要があるということです。
一見、重たい空気に満たされているような気がしますが、実は全くの逆で、ここは自分の強みを見つめ直す好機なのです。
自社に出来ることと今まで行ってきた数々の経験を一旦言葉にしてみるのです。
この自社スキルの棚卸がポストコロナにおけるフィジビリティーを見出す絶好の機会になるのです。
あるいはどのように自社の提供可能価値を「感染拡大防止のための対人接触機会の減少」と同居させられるかを見定めることにもつながるのです。
5. メリット⑤ ~経営計画書及び補助事業計画書を作成すること
実は当補助金の申請する最大のメリットはここにあると言っても過言ではありません。全項目とつながってきますが、小規模事業者持続化補助金低感染リスク型ビジネス枠に応募するということは、申請が完了した段階ですでにポストコロナにおける感染防止や対人接触機会を減少させた持続性のある自社の経済活動手法をすでに見出していることに他ならないからです。
もちろん当補助金が採択されるに越したことはありませんが、この時点ですでに金融機関からの融資を受けるための準備も完了していることにならないでしょうか。
弊社が積極的に当補助金の活用をお勧めする最大の理由はここにあります。
以上、当補助金申請のメリットについてお話してきましたがデメリット(と感じる場合もある)もあります。
弊社がサポートしてきた複数の採択者様の実際の声を元に3点お伝えしたいと思います。
6.デメリット① ~補助金は採択されないことがある。
昨年の採択率約30%ですから、逆に言えば約70%の人は採択されていないということです。
弊社の採択実績は約60%程度でしたので精進すべき余地は大きく、腰に帯をしっかりと締めなくてはならないと思っています。
7.デメリット② ~申請から交付までの期間が長いこと
当補助金の申請件数はかなり多いと聞き及んでいます。
申請後1ヶ月強で採択結果が分かるとの当初のアナウンスから、蓋を開けてみたら3ヶ月掛かってしまいましたなんてこともままあったりします。
また、これは全ての補助金に該当することなので仕方のないことですが、補助金が交付されるタイミングは支払いも完了報告も済んだ後です。
つまり入金は最後になります。
ここが非常に重要なポイントです。
一般的には当補助金において申請から補助金の交付までのリードタイムは約1年。支払い完了から交付金の入金まで約6ヶ月以上となります。
ここを読み違えると折角の採択を辞退せざるを得ない状況すら起こり得るため、金融機関などからの借入など計画的な資金調達の準備を忘れないようにしていただきたいのです。
8.デメリット③ ~補助事業は一定期間やめることができないこと
非常にネガティブな響きがありますが、初めから補助金もらったらすぐに事業をやめてしまおうという事業主はいないと思います。
ただ止むを得ず閉じなければならないということが起きないとも限りません。
もちろん時と場合によるとは思われますが、原則、交付金を受領してから一定期間は補助事業を継続する必要があります。
もし閉じた場合は補助金の返還となりますので中長期の視点での事業構築に活用することが大切です。
感覚的にはこのような意識をお持ちいただくといいのではないでしょうか。
つまり「補助金が欲しいではなく、ポストコロナにおける新たな販路開拓やサービス構築のための事業投資を積極的に展開する中で補助金はローンチ後のご褒美またはキャッシュバックのようなものである」。このように考えると自社の新たな事業構築だけに集中できると思うのです。
以上が、「小規模事業者持続化補助金低感染リスク型ビズネス枠」の申請メリット&デメリットとなりますが、これらを全てご理解いただいた上で、ポストコロナを生き抜くための自社の道筋を見出していただければと願っております。
くわしくはこちらまで。