【持続化補助金・共同事業を活用しよう!】活用アイデア2:地域の魅力を掘り起こす情報メディア立ち上げ

【2021年4月22日:追記】
この記事は、小規模事業者持続化補助金〈コロナ特別対応型〉・共同事業の活用アイデアとして作成し、2020年8月28日に公開したものです。

小規模事業者持続化補助金〈コロナ特別対応型〉は、2021年3月31日発表された令和2年度第3次補正予算にて、小規模事業者持続化補助金〈低感染リスク型ビジネス枠〉へと改称されました。
また、合わせて、最大10社までが合同で申請する「共同事業」が廃止となりました。

しかしながら、小規模事業者が複数協力し、合同プロジェクトを計画すること。そして、その合同プロジェクトについて、個々の事業者が、各自で小規模事業者持続化補助金〈低感染リスク型ビジネス枠〉に申請するという運用は、可能とのことです。

つまり、「共同事業」の枠そのものは廃止になりましたが、共同して補助金を活用することは可能ということです。したがって、この記事のアイデアそのものは、現在も有効と考えられるため、公開時のまま掲載しています。
※ ただし、補助金の金額が10社で最大2,000万円の上限も廃止されており、1社あたり最大100万円になりますのでご了承ください。

【持続化補助金・共同事業を活用しよう!】活用アイデア2:
地域の魅力を掘り起こす情報メディア立ち上げ

今、観光業は壊滅的なダメージを受けています。
特に三密になりやすい大型バスでの団体ツアーなどは、当面実施が厳しいと考えられます。

例えば、コロナ禍でツアー客が激減してしまった。
そんな状況を考えた場合、アフターコロナを見越して、団体客狙い(観光会社狙い)から、一般の旅行客狙いにシフトする…。

遠くの都会から団体客を誘致するのではなく、地域の魅力を掘り起こし、近いエリアから一般のお客さんを呼び寄せる…話題になっている「マイクロツーリズム」に挑戦するのも良いでしょう。

その際に必要なことは、

・自分たち(そして自分たちのエリア)の魅力を再発見すること
・再発見した魅力を形にして表現すること
・そして、それをお客さんに届けること

この3つです。

これをしっかり行うには、ある程度まとまった額の投資が必要…。
そこで、注目なのが、小規模事業者持続化補助金〈コロナ特別対応型〉の共同事業での活用です。

この補助金は、通常1社で申請し、補助率3/4、最高100万円(業種によっては150万円)まで補助されるものですが、共同事業で申請した場合、最大で10社、合計で200万円~2,000万円の補助が受けられます。

例えば、旅館やホテル、土産物店など10社で集まり、この共同事業を活用して、プロジェクトを立ち上げるのはどうでしょうか?

単に、コロナ禍の急場しのぎ…にとどまらない、将来を見据えた観光地活性化のプロジェクトも可能だと思います。

01)地域の魅力を掘り下げて、それをどう伝えるのか?

仮に、今までツアー会社主導で団体客だけを集客していた場合、観光地としての魅力の掘り下げや、そのアピールは、ツアー会社に任せっきり…という状況ではないでしょうか?

これでは、誰に対して、何をアピールして良いか、全くイメージできないと思います。
この状況で、やみくもに進んでも、成果を得られる可能性は限りなく低いでしょう。

具体的に形にする前に、改めて自分たちが呼び込みたいお客さんは誰なのか?
を明確に整理する必要があります。

その上で、そのお客さんたちにとって、自分たちのエリアにどのような魅力があるのか?
を掘り下げる必要があります。

もちろん、掘り下げただけではダメです。
その魅力が、しっかりと外部の方に伝わる必要があります。

なるほど、そんな魅力があるのか!なら、実際に行ってみよう!そう思ってもらうためには、動画やブログ記事、小冊子など形にして、それをお客さんに届けなければなりません。

小規模事業者持続化補助金〈コロナ特別対応型〉の共同事業を活用して、まず、自分たちエリアの魅力を掘り下げ、それを外部のお客さんに届けるための仕組みを作るのがオススメです。

02)魅力なんてない…という前に…

この際、有りがちなのが、ウチの地域に魅力なんてまったくないよ…と言われること。

でも、実際、全く魅力がない地域なんて存在しません。
単に、その地域の魅力を、自分たち自身が一番知らない…だけのことなのです。

なぜならば、外部から来る観光客にとって特別なことでも、そこに住んでいる人たちにとっては、普通のこと。
そもそも、自分たちだけで、その魅力に気づくことは、かなり難しいのです。

例えば、海がキレイな南の島の人は、キレイな海が都会に住む人間にとって非常に価値が高いことを知りません。
あるいは、夕日がキレイな景色を見慣れている人には、めったに夕日も見えない地域の人の感動は理解できません。
自然しかないことが、普段、緑を一切目にしない人にとってどれほどの癒しになることか…常に自然と接している方には思いもよらないでしょう。

実際、私は城郭が好きで、いろいろな地域の城を見て回ります。
すると地元の人はたいてい、「あんなもの行ってもしょうがないよ、石垣以外何にも残っちゃいない…」と言いいます。
いや、城を見に行く人は、その石垣を見に行くのです。

つまり、いくら外の人が魅力に感じることであっても、内部に居て、それが普通の人にとっては、まったく価値を感じられないのです。

そして、そこに価値を感じられなければ、アピールすることはできません。

だからこそ、まずは自分たちの魅力を発見していく必要があります。
それもできれば、外部の人を呼んで、一緒に考えてもらうことが重要です。
そうでないと、なかなか魅力に気が付くことができませんから。

そして、魅力を発見できたら、それをどうアピールしていくのか?という段階になります。

03)魅力をコンテンツ化し、情報発信する

エリアの魅力を発見し、コンテンツ化し、それをお客さんに伝える方法としては、情報サイト(オウンドメディア)を立ち上げることが最適です。

地域の魅力的なこと、ちょっとしたイベント、他所のエリアでは見られない変わったもの…など、記事にして、どんどんアップしていくのです。
それを見た、外部の人が、そのエリアに行ってみたい…観光してみたい…そう思うような情報を発信するのです。

ただ、そのためには、自分たちの魅力をしっかりと認識し、それを外の人にどうやって伝えるのか?
キッチリと考えないと行けません。

その点で言えば、例えば、記事(コンテンツ)を作ってくれるライターを外部から集める方法が考えられます。
そして、そのライターさんは、単に記事を書く…というのではなく、一緒にエリアの魅力を考えてもらうのが良いでしょう。

実際に、その地域に足を延ばし、皆さんと一緒に考え、観光コンテンツを発見し、そしてその上で記事(コンテンツ)にしてくれる人。

そういったライターであったり、Webサイトの制作者を呼び、一緒になって情報サイト(オウンドメディア)を立ち上げるのです。

また、呼びたいお客さんが若い人たちであれば、それを動画コンテンツにしてYoutubeで配信したり、InstagramやTwitterなどのSNSで情報発信する…といったことも必要でしょう。

なお、今回の補助金には、事業再開のためのマスクやパーテーションを準備するといったコロナ対策の費用が別枠で出ます。

これを加味して、仮に観光用の情報サイト(オウンドメディア)立ち上げの予算例を考えてみました。

04)プロモーション予算例

※小規模事業者持続化補助金〈低感染リスク型ビジネス枠〉となり共同事業が廃止されたため、補助金の上限額も10社で最大2,000万円ではなく、1社につき最大100万円となりました(2021年4月22日追記)

【プロモーション予算例】

Webサイト設計・構築:200万円
カメラマン派遣:200万円
Web活用研修:100万円
コンテンツ作成(ライター・取材費こみ):50本×10万円:500万円
プロモーション動画制作:200万円
広告設計(テストマーケティング):50万円
広告費(テストマーケティング):50万円(PPC&SNS) × 5カ月:250万円
コロナ対策:50万円 × 10社:500万円

合計:2,000万円
※あくまでも予算例です。実際には、詳しくヒアリングした上で詳細を決め、お見積いたします。

上の予算例では、合計2,000万円の大型プロジェクトですが、コロナ対策500万円を含めて採択されれば1,500万円が補助金として戻ってくる可能性があります。

補助金が戻ってくれば、2,000万円のプロジェクトが、実質500万円、1社50万円の自己負担で実施できることになります。

予算例では、ライターの費用が1本10万円としてありますが、これは先ほど言ったエリアに来てもらい、一緒に観光コンテンツを考えてもらう方を前提にしています。
※ライターの予算はピンキリです。実際にはもっと高いかもしれません。また、地域にゆかりの方であれば、もっと安く済むかもしれません。

また、地域をアピールするプロモーション動画や広告での宣伝もイメージして予算に組み込みました。

もちろん、これで完成…すぐに成果が出る…というほど、Webは甘くはありません。

しかし、ライターを誘致し、一緒に魅力について考え、観光コンテンツ化しておけば、これをベースに自分たちの力で発展させることができます。

10社で共同事業にすることで、アフターコロナも見据えた、エリア全体の長期的なプロモーションのベースづくりが可能になります。

05)自分たちの手で情報サイトを発展させる

情報サイトをベースに、定期的に魅力を発見し、情報発信する仕組みを定着させる。
この仕組みを、自分たちだけでゼロから作ることは非常に大変です。

また、これまで文章を書いたり、写真を撮ったりしたことが無かった人に、いきなりコンテンツを作れといっても、難しい話です。(本当は、そんなに難し話ではないのですが、ハードルを高く感じられる方は多いです)

そして何より、自分たちの魅力を自分たちだけで発見し、形にしていくのはかなり難しい…。

そこで、最初は外部の力を借りて、ベースを一緒に作ってもらうのです。
できれば、最初に立ち上げただけでなく、その後も定期的に協力してもらえる関係を構築できればベストです。
※もちろん、それなりに費用はかかりますが…。

ただ、作って終わりではなく、コンテンツを作り続け、情報を発信し続ける…これがWebでは大切です。

そして、その積み重ねが出来上がれば、アフターコロナの時代がどのような形になったにしても、十分戦える土台になるハズです。

いや、せっかくやるのであれば、これを単にコロナ禍の損失補填程度に考えているのでなく、その先を見据えたプロジェクトにするべきでしょう。

もちろん、10社とは言わず、地域のさまざまな会社を巻き込んで、エリアそのものを盛り上げる…そんなプラットフォームに育て上げることも夢ではないと思います。

なお、翔栄クリエイトでは、補助金申請のサポートを行っております。
が、サポートは単なるオマケです。

クライアントさまと一緒になって、その魅力を掘り下げ、どうやって、その魅力をお客さんに伝え、集客・売上アップにつなげるのか?それを実践することが本業です。

補助金を使って、この苦境を脱し、将来に向けた土台作りに挑戦したい!それを一緒に進められる仲間をお求めでしたら、ぜひ、私たちにご相談ください。きっとお役に立てることと思います。

◆ 持続化補助金についてもっと知りたい方はこちら